尼崎市 こども・若者の声の受け止め方 研修サイト

会場で多くの参加者が意見交換する研修の様子
研修の目的

こども・若者の声
どのように受け止めるか。

こども・若者がともに社会を作っていくメンバーとして参画し、こども・若者も社会に影響力が与えることができる社会を目指して、こども・若者意見聴取・意見反映の取組に力をいれています。

本サイトは、どのようにこども・若者の声を聴き、どのようなサポートをしていけばいいのか、受け手側に必要なことをまとめた学習サイトです。動画や資料を見て、体系的に学び、実践に活かしてください。

こども基本法は国や自治体向けに制定された法律ですが、こども・若者の声を聴くのは自治体職員だけではなく、様々な人にも関わってもらいたいと考えています。

行政・民間問わず、こども・若者に関するすべての方に役立てていただければ幸いです。

SESSION 1

みんなでまちをつくっていく

第6次尼崎市総合計画

尼崎市では、令和5年度から開始した第6次尼崎市総合計画の取組が進んでいます。計画では、尼崎市がめざす「ありたいまち」の姿を示す「まちづくり構想」と、これを実現させるための取組の方向性などを示す「まちづくり基本計画」で構成されています。

その中で「子ども・子育て支援」の分野では、施策の展開方向として「子どもたちの生きる力をはぐくむ環境づくり」の中に『「ユースワーク」の視点を取り入れた取組の推進』と記載されています。尼崎市では、こどもや若者が意見を出し、社会として受け止めていくまちをつくっていこうと取り組んでいます。

ユースワークとは

若者をこどもから大人への移行期にいるすべての人と捉え、若者が権利主体として自己選択と決定が保障される自由な活動の場を若者とともに形成し、若者及び若者と関わる大人やコミュニティ、社会システムに働きかける実践である。(京都市ユースサービス協会)

第6次尼崎市総合計画の『ひと咲き まち咲き あまがさき』コンセプト図

尼崎市がこども・若者の「意見」に期待すること

※この動画は令和7年8月1日に実施された市職員研修での内容です。

あらゆる政策において行政側が工夫をし、若者の意見を積極的に吸い上げる。

一部の部局だけでなく、すべての部局が若者の声を拾い上げていく。

ツールだけではなく、意見を出しやすい雰囲気をつくる。

SESSION 2

こどもの権利について学ぶ

こどもの権利とは?

こども・若者の意見聴取を行うには、まず「こどもの権利」を学ぶことから始めます。「こどもの権利」とは、こどもたちが安全で健康に育ち、自分の意見を自由に言えるようにするための基本的な権利のことです。

平成元年に国連で採択された「児童の権利に関する条約」によって定められており、4つの原則があります。こどもの参加(意見を表し、大人が考慮すること)は、権利であり、ほかの権利を実現するための大切な手段でもあります。

1 差別の禁止

どんな理由でも差別されず、すべての権利が保障されます。

2 こどもの最善の利益

そのこどもにとって最もよいことを第一に考えます。

3 生命、生存及び発達に対する権利

命が守られ、生まれ持った能力を十分に伸ばして成長できること。

Key Point

4 こどもの意見の尊重

自分に直接関係のある事柄について自由に意見を表し、大人がその意見を十分に考慮します。

「子どもの権利について」講演

※この動画は令和7年8月1日に実施された市職員研修での内容です。

SESSION 3

こども基本法について学ぶ

こども基本法とは?

こども基本法は、こども施策を社会全体で総合的かつ強力に推進するための包括的な基本法として、令和4年6月に成立し、令和5年4月に施行されました。

法律の中では、年齢に関わらず「心と体の発達過程にある人」を「こども」と定義しています。また国や自治体は、こどもに直接関係する事柄について、年齢や発達の状況に応じて意見を聴き、社会活動に参加できる機会を確保することが求められています。

こども施策の6つの基本理念

1. すべてのこどもは大切にされ、人権が守られ、差別されないこと。
2. すべてのこどもは、大事に育てられ、生活が守られ、愛され、保護されること。
3. 年齢や発達の程度により、自分に直接関係することに意見を言えたり、参加できること。
4. 意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先されること。
5. 子育ては家庭を基本としつつ、十分なサポートが行われること。
6. 家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること。

「意見を聴かれる権利(こどもの意見表明権)」について

※この動画は令和7年8月1日に実施された市職員研修での内容です。

こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン

府省庁や地方自治体など政策の最前線にいる行政職員が、こども・若者の意見を聴き政策に反映する際の留意点や工夫、事例を提供するためのガイドラインです。各タイミングで必要なことが整理されています。

行政職員の方は、このガイドラインでそれぞれのタイミングで必要なことが記載されていますので、ご確認ください。

尼崎市こども・若者総合計画

尼崎市で、こども基本法第10条に基づく市町村こども計画として、子ども・子育て審議会からの答申に基づき、「こども・若者総合計画」を策定しています。

本計画では、こども・若者はもとより保護者・養育者自身のウェルビーイングと成長の観点も踏まえ、こども・若者をはじめ本市のこども施策に関わる関係者・市民の皆様に向けて、こども・若者の権利、保健、医療、福祉、教育、子育てなど本市のこども施策全般について、その考え方や取組の方向性をまとめたものです。

なお、本計画は、尼崎市総合計画の部門別計画として位置付けられており、他の行政計画とも整合を図った内容としています。

尼崎市こども・若者に関する5カ年計画になっています。本計画もこどもや若者の声を踏まえて策定しました。

尼崎市こども・若者総合計画の表紙画像
SESSION 4

こどもや若者との関係性の築き方

ユースワークとは?

ユース交流センター(アマブラリとあまぽーと)の外観

尼崎市では、令和元年からユースワークの拠点として「尼崎市立ユース交流センター」をひと咲きプラザに開設しています。ユースワークとは、『若者をこどもから大人への移行期にいるすべての人と捉え、若者が権利主体として自己選択と決定が保障される自由な活動の場を若者とともに形成し、若者及び若者と関わる大人やコミュニティ、社会システムに働きかける実践である。(京都市ユースサービス協会)』と定義されています。

つまり、ユースワークは、若者がこどもから大人へ移行期に、自らの意思で人生を選択・決定できるよう支援する活動全般を指します。若者が集える居場所提供、相談対応、地域活動へ参加促進、自主的な活動支援など、若者一人ひとりの成長と社会参加を、多様な方法でサポートする実践です。

ユースワークが大切にしている価値観

  • こども・若者が、誰でも自分の意思で参加できる、開かれた場所で行われる活動であること。
  • こども・若者自身の興味や関心から始まる、インフォーマルな教育の機会・活動であること。
  • 若者たちの「将来」に関心を向けるとともに、「今、ここ(here-and-now)」にいる価値を大切にし、注意を払うこと。
  • 若者たちの仲間関係やアイデンティティを広く共有しながら活動し、それぞれの人生選択や未来の可能性にとって重要なもの(階級やジェンダー、人権、セクシャリティや信仰など)を互いに理解し合うこと。
  • 若者たち同士あるいは若者と大人の間に、互いへの敬意や信頼し合える関係性をつくっていくこと。
  • 若者たちの利益になるような、パワーバランスを追求すること。
  • ワーカーの存在価値を認識し、自律的に仕事を進められる職場環境の意義を理解していること。即興的でありながらも、よく訓練された実践の重要性を認識していること。

出典: ユースワーク基礎(https://www.youthandpolicy.org/articles/that-other-epidemic/

ユースワーカーの役割と8つのポイント

若者自身をエンパワメントするだけでなく、若者と大人の間に立ち、双方と関係性を結びながら、若者と社会との接点を築いていくユースワーカーが大事にしている8つのポイントです。

1. 関係性の構築から始める

若者と関わる際に、まず信頼関係を築くことがスタートラインです。若者が話したいと思って初めて心の扉が開きます。

2. 対等に接する

あらゆる若者が参加する場として、上下関係や様々な関係性を解きほぐし、対等に接します。大人側に無意識的な権威性(立場や言語化能力など)があることを自覚しましょう。

3. 存在を肯定する

何かをしているからでなく、何もしていないことも含めて、生きているだけで価値があると伝え続けます。

4. 評価しない

こども・若者は大人から評価される機会が多くあります。関係性を構築していくために、大人の評価軸を捨てて、1人の人として若者と接していくことが求められます。

5. 背景に思いを巡らせる

こども・若者が話す内容に、うまく言語化できていない場合もあります。耳以外の五感を研ぎ澄まし、その言葉の背景に何があるかまで掘り下げて考えていくことが重要です。

6. チームで取り組む

ユースワーカーも人です。こども・若者と関わる中で感情的になる場面もあります。自分だけで関わろうとせずに、同じ職場のスタッフや連携機関も含めてチームで関わることを意識してください。

7. 信じて任せる

話をしていく中で、もしかしたらできないのではないか、失敗するのではないかと思う場面もあるでしょう。成功に導くことを意識しすぎず、若者と一緒に決めたことを信じ抜き、その過程を大切にすることが大事です。

8. 出会いをコーディネートする

意図的にまた無意図的に、地域の方や様々な人と出会う機会を設けることはユースワーカーの重要な役割の一つです。様々な人と出会い、一歩を踏み出すきっかけや、選択肢を広げる機会になると考えています。

SESSION 5

意見表明の取組方法

意見表明のやり方や方法はさまざまにあります。このサイトでは3つの方法を紹介します。

こども・若者たちの興味関心に合わせて意見表明の方法を紹介することも、参画を促す大人の重要な役割です。

若者会議(ユースカウンシル)

ユースカウンシル Up to You! チラシ

尼崎市では、令和2年度からユース交流センターの取組としてユースカウンシル(若者会議)を実施しています。ユースカウンシルは、直訳すると若者会議・若者議会・若者協議会のことですが、尼崎ユースカウンシルでは、若者が若者の悩みや課題を市に伝え、一緒にまちをつくっていく仕組みとして取り組んでいます。

過去の発表内容などはYouTubeでご確認ください

コドモワカモノボイスアクション

オンラインで声を届ける

オンラインを活用して、さまざまなこども・若者の声を集める取組です。「コドモワカモノボイスアクション」でテーマを事前に設け、意見募集を行っています。集まった意見は尼崎市の担当者に共有し、内容を検討してもらうなどの取組も実施しています。取り扱いたいテーマもみんなで一緒に決めることができるため、意見として挙げてもらえればと思います。こども・若者だけでなく、こども・若者の環境を支える大人(保護者や支援者)からの意見も投稿できます。

Liqlidで意見を見る・投稿する
コドモワカモノボイスアクションのポスター

審議会の委員に参画する

こども・若者たちの声を直接伝える方法として、審議会の委員になるという選択肢もあります。尼崎市青少年協議会という審議会で若者委員を募集し、こども・若者応援事業の調査・審議を一緒に行っています。任期があるため募集のタイミングは限られますが、他の委員会でも若者が参画できる場合があります。市のHPなどで募集状況をチェックし、興味関心のある審議会があれば応募することも有効な方法のひとつです。

SESSION 6

具体的な事例について学ぶ

ユースカウンシルの過去の取組(令和7年度)

ユースカウンシルの取組状況は市のHPにまとめて掲載されています。令和7年度の主な報告内容は以下のとおりです。

  • 01 「推し」に着目した若年層の献血の促進
  • 02 『私メダリスト化計画』~今自立に必要な力~
  • 03 じゆう器-街にスキを作り出すための企て -
  • 04 やりたいことをやっていい~尼崎に演劇を広めたい!~
  • 05 飲食店×居場所~飲食店がつくる地域との繋がり~
  • 06 こどもに時間、空間、仲間を復活させる
  • 07 貧困世帯にもっと大学進学の選択肢を
  • 08 全ての青少年が未来への希望を持ち続けるために
  • 09 yowane

京都市の事例(みんなの理想京)

京都市では、令和6年度-令和7年度にかけて、市としての今後25年間のまちの羅針盤となる「京都基本構想」を策定する過程で、「コドモワカモノボイスアクション」と同じ仕組みを使って、特設サイト「みんなの理想京」をつくりました。

「みんなの理想京」では、市内の公立学校に通う小中学生のみなさんも、授業等で活用している「1人1台端末」からアクセスして、自らの思いを投稿できるようになっていて、小中学生の皆さんからも5000件以上の思いをいただきました。

こども基本法等に拠れば、こども・若者の意見聴取・反映は、いわゆる「こども」という名前がつく事柄のみならず、こども・若者が当事者となるあらゆる施策で取り組まれるべきものであり、京都市の事例はその参考になると考えています。

京都市の事例「みんなの理想京」
INTERVIEW

インタビュー

若者の声から始まったスケートパークづくり ― NPO法人ASKの事例

福田さん(尼崎市こども青少年課)

「尼崎にスケートパークをつくりたい」という若者の声をきっかけに始まった、NPO法人ASKの取組です。

ユースカウンシルでの意見表明から活動が動き出し、行政や地域、企業との対話と調整を重ねながら、約5年をかけて市内初となるスケートパークの整備に至りました。現在は、施設の管理運営を担いながら、若者の居場所づくりと地域との関係づくりを続けています。

こうしたASKの歩みに伴走してきた、尼崎市こども青少年課の福田さんにインタビューを行い、若者との関わりや伴走支援の中で大切にしてきた視点について話を伺いました。

ASKのスケートパークの様子
※ASKのスケートパークの写真

パークづくりはゴールではなく、その後の人生を見据える

Q. ASKの伴走で、最初から大事にしていた軸は何でしたか。

一番は「この事業でASKのメンバーが不幸になってほしくない」という点でした。パークを作る責任感だけで走って、結果として借金が残ったり、若者の人生が削られたりするのは避けたいと思っていました。だから「今なら引き返せるで」と何度も問いかけ、メンバーの意思確認を行いました。パークは完成がゴールではなく、できてからがスタートだという意識はずっとありました。

Q. スケートパークづくりで、最も難しかった点は何でしたか。

勢いに波がありスケジュールが立てにくいASKと、関係者や地域の方への説明など一定のスケジュールを組んで進めていかないといけない行政との調整が難しかった点です。行政のやることには一定の説明責任があり、そのためのプロセスは若者側からすれば納得しにくい部分もあったと思います。またASKとしても、行政と、行政以外の大人の意見との間に挟まれ大変だったと思いますが、そこは何度も話し合いをし、お互いに理解をしながら進めてきました。

Q. 若者と関わる中で、意識していた距離感や姿勢はありましたか。

「若者だから、本来整理すべきことを大目に見る」といった特別扱いをすることはしないようにしていました。ASKの取組は、行政主導ではなくASK主導で進めるべき事業だと思っていましたし、その分、必要な整理や説明は年齢に関係なく求める必要があると考えていました。一方で、若者が置かれている状況や背景は理解しないといけない。そのバランスをどう取るかは、常に意識していました。

Q. 活動を見守る中で、こども・若者らしさを感じた場面はありましたか。

正直に言うと、計画の甘さや、思いつきで内容が揺れるところ、資料修正がなかなか進まないところなど、「仕事」として見ると気になる点はたくさんありました。ただ、ASKのメンバーそれぞれが、学校やアルバイト、生活の事情がある中で取り組んでいることは理解しているつもりでしたので、そこは「若者だから」で大目に見つつ、私にできることをサポートさせていただきました。

Q. ASKの活動を通して、どのような難しさを感じましたか。

活動にはどうしても熱量の波があります。すごく勢いよく進む時期もあれば、全体のスケジュールが立たず、動きが止まってしまう時期もありました。大人同士の仕事であれば「いつまでにこれ」と決めれば一定の水準で仕上がってくることが多いですが、若者との取組ではそうはいきません。その違いを理解した上で関わる必要があると感じました。

Q. ASKの取組を、どのような思いで見ていましたか。

正直、「本気でやめた方がいい」と思ったことは何度もありました。それでも、ASKには多くの応援者がいて、最後はやり切ろうとするメンバーの責任感があった。そこは本当にすごいと思っていました。一方で、信じて任せるだけでは進まない場面もあり、後半は進捗管理をしながら、こちらから踏み込む必要もありました。ASK主導で進めること、でも手を放しすぎないこと、その間を行き来している感覚です。

Q. ASKとの関わりは、福田さんにとってどのような経験として残っていますか。

正直、まだ終わったという感覚はありません。スケートパークができたことで一区切りではありますが、運営はこれからが本番です。パークがASKにとって後悔になるのではなく、作ったことがスタートになり、若者の居場所として続いていくことを期待しています。

Q. 最後に若者と関わる際に大事にしていることはありますか。

相手の熱意は大事だと思っています。どんな小さな声にでも、そこに若者の思いが詰まっている可能性があり、大事にしていくべきものだとは思いますが、一方で、若者にも当然本音と建て前があったり、思いつきで話したりすることもあると思います。まずは若者の思いを丁寧に聞くところから始め、いくつかのラリーを行いながら、相手の熱意に合わせてこちらの熱量を高めていくことが良いと思っています。スケートパークの完成まで一緒にできたのは、ASKのやっていきたいという熱意が伝わってきたからこそであり、私も気づけば応援者の一人になっていたのだと思います。向こうの思いにこちらも応えるし、それに応えてくれればさらに応えていく、その繰り返しが大事だと思っています。

福田係長の写真
※福田係長の写真

「推し×献血」から広がった若者主体のプロジェクト ― grace to you の事例

萩原さん・山中さん(尼崎市疾病対策課)

「若者の献血離れ」という課題に、当事者世代の若者が自分ごととして向き合い、「推し×献血」という切り口で企画を形にしていった取組です。

令和6年6月のヒアリング開始から、兵庫県赤十字血液センター・商業施設(キューズモール)・吉本興業・市長動画など、多方面との連携を重ねながら、令和7年3月のイベント実施まで進みました。

今回は、こうした取組に伴走してきた尼崎市疾病対策課の萩原さん・山中さんにインタビューを行いました。若者主体の取組と社会の接点が広がっていくプロセスをどのように支えてきたのかについて話を伺いました。

献血イベントの様子
※献血イベントの写真

先に答えを出さず、まず「やりたい」を引き出す

Q. プロジェクトを初めて知ったとき、どんな印象でしたか。

「若者の献血離れ」という課題に取り組みたい、と聞いて、そこに問題意識を持っている若い人がいること自体がまず、すごいと思いました。私たちも課題だとはずっと言ってきたけれど、当事者世代の人が自分の問題としてやりたいと言っているのが印象的でした。それに、献血と自分の好きなものを掛け合わせて企画にする発想も面白いなと思いました。

Q. 若者と進めるとき、意識していた関わり方はありますか。

こちらが先に答えを言ってしまうと、萎縮させてしまってアイデアが出なくなるのが嫌なので、まずは「やりたいこと」をちゃんと聞くようにしていました。真面目に話し終わるまで聞いて、その上で「じゃあこうしてみたらどうかな」と提案する。できるだけ本人が中心で進められるように、引き出しながら一緒にやる、というところは意識していました。

Q. 関係性が深まったと感じたのは、どんな場面でしたか。

11月の献血セミナーで、思ったほど人が集まらなかった経験を一緒にしたことは大きかったと思います。あれを一緒に見ていなかったら、本人の不安にも気づけなかったかもしれない。会う回数も増えるし、失敗体験を共有したからこそ距離も縮まって、その後は、本来やりたいことを中心に考えられるようになっていった感覚があります。

Q. 若者の進捗が大人の段取りに追いつかない場面もあると思います。そこはどう支えましたか。

動き出しがゆっくりなときもありました。急かすというより、わからないから動けないなら教える、経験でカバーできる部分はカバーする、という考え方でした。「ここまでやってみてほしい」「ここが最低限できないと次に動けない」と小さく区切って、順番を作る。本人も、できなかった理由をちゃんと言ってくれるので、そこを一緒に整理して「こうしたらいいかもね」と具体的に落としていくやり方でした。

Q. 今回、様々な機関(尼崎市長、兵庫県赤十字血液センター、吉本興業、商業施設など)も巻き込みましたが、そのときの考え方を教えてください。

「推しを呼びたい」という軸は大事だと思っていたので、まずはのびのびやってもらう。来てもらえなかった場合のことはこっちで考えればいい、というスタンスでした。実際に市長にも協力いただいて、動画の発信も含めて広がりを出すことができました。直接的に献血がどれだけ増えたかというより、献血という言葉が職員の中でも市民の中でも意識されるきっかけになったり、兵庫県赤十字血液センターとの関係も一緒に何かできる関係に変わったり、波及の価値はあったと思います。

Q. 最後にこれから挑戦する若者やそれを支える大人向けに一言お願いします。

若者には、「こんなんいってもいいのか」「こんなんできるのか?」など線引きをせず、本当にやりたいことを声に出してもらった方がありがたいなと思います。手伝おうと思っても本当にやりたいことでないと関わり方が難しいです。枠組みは大人で調整できるので、遠慮なく言ってもらえるとありがたいです。大人側に対しては、何をしてもいいのか分からないというのもあると思いますが、とりあえず、若者の考えに乗ってみることだと思います。自分が担当している専門じゃなくても一緒にやってみると学びになることもあるので、まずはやってみるということが大事だと思います。

萩原さん・山中さんの写真
※萩原さん・山中さんの写真
TEST

確認テスト

法律・制度(2問)

1. 「こどもの権利」に関して正しいものはどれ?
2. 「こども基本法」で定められている内容に含まれないものは?

制度設計(2問)

3. 制度設計における意見聴取として、最も不十分なものはどれ?
4. こどもや若者が安心して意見を言える環境づくりとして、適切でないものはどれ?

意見聴取/当日の関わり方(3問)

5. こどもや若者の意見聴取において、配慮が必要な点として適切なものはどれ?
6. こどもや若者の話を聴く際の姿勢として、最も適切なものはどれ?
7. こどもや若者の声を聞く際の姿勢としての考え方はどれ?

フィードバック/意見反映(3問)

8. こどもや若者の意見に対するフィードバックとして、最も不適切なものはどれ?
9. こどもや若者の意見に対するフィードバックとして、不適切なものはどれ?
10. こどもや若者の意見を「聴いた」と言える対応として、最も適切なものはどれ?